だっこ紐を選別することの意味

〜支援者としての軸を考える〜

目次(クリックで各タイトルにスクロールします)

だっこ紐支援における選択肢とは

日本のだっこ紐市場には、多様な選択肢が存在します。

 

赤ちゃんの発達に適した道具だけでなく、発達への影響が心配される構造のもの、文化の中で使われてきたものなど、非常に多様です。

 

支援者として、多様なだっこ紐おんぶ紐をどう見極めどう扱うか。その選択は、親子の暮らしやだっこ紐市場全体に、少なからず影響を与えます。

 

D-SuB SIGでは、「心理発達と身体発達の両面を支える道具を選別し、伝える」という軸を大切にしています。それは、親子に寄り添うだけではなく、より良い未来を提案するための支援者としての選択でもあります。

D-SuB SIGが最適と考える道具のタイプ

一枚布のベビーラップ

支援者がだっこ紐を学ぶ上で、最も基本であり最適なものと位置付けられるのが一枚布のベビーラップです。

 

ストレッチタイプ、織布タイプがあります。

 

布で包むからこその心地よさで、愛着を深めることにも長け、親子の快適な暮らしを力強くサポートします。

 

赤ちゃんの発達に良い姿勢を支え、体重分散能力に優れ親の負担も最も少ないため、養育者にとっても使いこなせた際に効果が高いです。

 

一枚布のベビーラップに関しては、他のタイプとは一線を画す価値があります。詳しくは下記ページをご覧ください。



ベビーラップ生地のリングスリング

一枚布ベビーラップと同じ生地に、2本のリングが取り付けられたシンプルなリングスリング。

 

片方の肩にかける単純な使い方のため、短時間での装着、持ち運びにコンパクトです。

 

装着の構造上、赤ちゃんの月齢(特に生後すぐから低月齢)によっては使用が難しいこともありますが、適切に使えれば、体と心の発達、親子の暮らしの快適さを共に叶えられる道具です。

 

「スリング」には多様なタイプが存在するため、見極める専門的な視点が必要です。

メイタイ型成形タイプ

適切な姿勢をサポートするための理論をもとに開発されたメイタイ型成形タイプ。

 

背当て、肩ストラップ、ウエストベルトという構造からできているこのタイプは、バックルの有無やウエストベルトの有無など、多様に展開されています。

 

D-SuB SIGでは、一枚布ベビーラップやリングスリングが難しい養育者に向けての選択肢と位置付けています。

 

また、腰座りや一人歩きなど赤ちゃんの体がある程度しっかりしてきたり、立ち歩けるようになってからだっこ紐を探している養育者には紹介しやすいタイプです。

 

このような、構造があるだっこ紐は多様なタイプが存在するため、どこをどう見れば適切な道具を見極められるのか、その視点を講座内で学ぶことができます。



だっこ紐支援のアプローチ

だっこ紐支援者の活動には、大きく分けて2つのアプローチがあると考えます。

❶発達支援面から最適な道具を選択するアプローチ

心理発達と身体発達の両面を支える「最適なだっこ紐」を見極め、それを養育者に提案する。


発信では最適な選択肢に集中し、養育者が適切なだっこ紐を選べるような情報発信を大切にする。現場では、多様な相談に寄り添う。


→赤ちゃんの心身の発達を促し、親子の暮らしをより豊かにし、だっこ紐市場の質を高めることにつながる。

❷市場や流行、養育者の選択に寄り添うアプローチ

養育者が持っている道具や市場で流通している道具を広く受け入れ、安全な使い方を伝える。


幅広い選択肢を柔軟に発信し、目の前の養育者に寄り添う支援を重視。


次々に販売される製品に対し、より安全な方法が適切に広まり、赤ちゃんの落下防止や親の負担が減ることで、日々の日常生活が楽になることに寄り添うことができる。


アプローチによる活動の展開の違い

だっこ紐支援において、「最適な道具を選択するアプローチ」と「多様に寄り添うアプローチ」は、それぞれの目的や伝え方だけでなく、活動の展開方法にも影響を与えます。

❶発達支援面から最適な道具を選択するアプローチ

「心理発達と身体発達、親子の暮らしの快適さを両立する最適な道具」を明確に選択し、その価値を伝えるアプローチは、支援者自身の専門性が高く、この軸に共感を得られる場での活動に向いています。

 

たとえば、助産院やクリニック、または信頼関係を築きやすい民間の支援センターなどで、一人ひとりの養育者にしっかり向き合う活動がしやすい環境です。

 

高い専門性が求められ、真のだっこ紐支援者として非常にやりがいのあるアプローチです。より良い発達や親子の暮らしへの優しい介入など、だっこ紐をひとつのツールとして、子育てを支援するという新しい可能性を秘めています。

 

 

❷市場や流行、養育者の選択に寄り添うアプローチ

市場や流行に基づいた多様な選択肢を柔軟に取り入れ、目の前の養育者が持っている道具を活かしていくこのアプローチは、地域の支援センターや行政主催のイベントなど、多様なニーズに対応する場と親和性が高いです。

 

特に、だっこ紐を購入後に初めて使う養育者や、今使っている道具を少しでも使いやすくしたいと考える方々には、必要なサポートとなります。

 

流行する道具が多様なため、専門的にだっこ紐を学んだ支援者にとっては、本来伝えたい内容が伝えられず葛藤を抱えることもあるので、目的を見失わないよう支援者としての軸を確認することは大切です。

 

このアプローチは「誰でも来やすい場」を作り、多くの親子に広く届く支援としての価値があります。


アプローチ方法は、活動像に直結します

支援者として活動するうえで、どのようなアプローチを選ぶかは、だっこ紐の支援者として「どんな親子にどのように関わりたいか」という未来の活動像と直結します。

 

「多様に寄り添うアプローチ」は、幅広い親子に対応できる柔軟性があります。

 

「選択するアプローチ」は、支援者が明確な軸を持つことで、一見絞り込みをしてしまう面もあるかもしれませんが、親子のより良い未来を信じ、提案できる可能性に富み、支援者としての充実感も高いことが魅力です。

 

これは小さな違いのようでありながら、だっこ紐の支援者としては、実はとても大切なことです。

 

せっかく専門的に学んだその先に、心地よく、そしてより長く、だっこ紐支援に関わっていけるよう、活動しながら自分の軸を整理することが大切だと考えています。

D-SuB SIGが大切にするアプローチとスタンス

D-SuB SIGでは、「心理発達と身体発達、そして親子の暮らし、両面を支える最適な道具を選び、その価値を発信するアプローチ」を軸に、支援者が自信を持って提案できる力を育むことを目指しています。

 

親子のどんな選択にも寄り添う支援も大切ですが、不適切な道具や情報をも受け入れ寄り添い続けることは、本当に親子のためになるのか疑問が残ります。より良い選択肢を適切に伝えることを軸にした専門家が集う場がD-SuB SIGです。

 

多様なだっこ紐を適切に判断し、あらゆる対応ができる専門性は持ちながら、自身の軸や発信内容は適切に絞っていく。そして現場での対応は親子に寄り添う、このバランスを取ることで、多様な家族を排除することなく、支援者としての一貫性を保つことができます。

 

発信と現場対応の明確な役割分担

発信において:
D-SuB SIGでは、発信の場で扱う選択肢(適切なだっこ紐の種類)を明確にすることを大切にしています。


心理発達と身体発達、親子の暮らしの両面を支える「最適な道具」を発信の軸に据えることで、大多数の養育者がより良い選択をしやすくなり、市場全体の質や情報の質の向上にもつながると考えます。

 

現場対応において:
現場では、多様な道具や養育者の状況に柔軟に対応します。

 

本来不適切な道具への対応も、養育者に寄り添いながら「今できる最善」を見つける柔軟性を持つことを大切にしています。

 

ただし、この対応はあくまで現場での寄り添いに留め、発信では「最適な道具」に集中します。

柔軟性と一貫性を両立する支援

D-SuB SIGが目指す支援者像は、柔軟性と一貫性を兼ね備えた存在です。

 

柔軟性: 養育者の多様なニーズに対応する現場力


一貫性: 最適な道具を見極め、その価値を伝える専門的な視点

 

この両立が、支援者の信頼性を高めるだけでなく、親子の暮らしをより豊かにする支援につながると考えています。


D-SuB SIGが目指す未来につながる支援

D-SuB SIGは、「寄り添うだけではなく、より良くなるための提案を行える存在」という支援者の姿勢を重視しています。

この姿勢は、養育者を信じ、親子の可能性を広げる支援でもあると考えます。

 

最適な道具の軸を持つことの意義:

 

・養育者への影響: 支援者が発信する選択肢が、養育者の選択に直接影響を与えます。


・市場への影響: 適切な道具を選び伝える専門家が増えることで、市場全体の質の向上にもつながります。

D-SuB SIGで共に学び合いたい方へ

D-SuB SIGは、「市場や流行に合わせて多様に寄り添う支援」よりも「選択肢を精査し、より良いものを提案する専門性」を深めたい方にこそ価値のある学び場です。そのため、以下のような支援者をサポートしたいと考えています。

  • 最適なだっこ紐を適切に提案したい方
  • 親子の暮らしの質を高める支援がしたい方
  • 専門家としての一貫性を持ちたい方

このアプローチは、支援者が自身の活動を通じて親子に価値を届けるだけでなく、自身の充実感や満足感を高めることにもつながります。

 

  

ただし、最適なだっこ紐の選択を大切にはしていますが、D-SuB SIGでも、多様なだっこ紐に対応するための講座などを開催しています。

これは、現場の親子の多様な対応への柔軟性を高めるためのサポートです。

  

多様で幅広い道具についても積極的に発信・推奨したい方は、他の学び場の方が適している場合があります。

 

同じ志を持つ方々とつながり、共に学び合いながら、親子にとってより良い未来を提案する支援者としての視点を育んでいきたいと考えています。

無料相談受付中

「私がここで学んでも大丈夫かな?」
「具体的にどんなことが学べるの?」
「自分の活動スタイルに合う学び場なのか不安…」

 

そんな疑問や心配がある方のために、D-SuB SIGでは無料相談を受け付けています。

 

講座の内容やSIGの方向性について、直接お話ししながらお答えしますので、お気軽にご相談ください。

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